宝石には無限とも言えるほどの色のヴァリエーションがあります。
色のグレードを決定するとき、色を構成する3つの要素がその条件になります。
以下がその要素です。
◆ 色相 - 光のスペクトルの色。虹の色をご想像ください。
◆ 明度 - 明るさの度合い。
◆ 彩度 - スペクトルの色を基準とした色の純度、濃さ。 |
カラーストーンで最も重要視されるのは、彩度です。
暖色系の石ならば、茶色味のないこと、寒色系の石ならば、灰色味がないことといえば、お分かりになりやすいでしょう。
明度とは、文字通り石の色の明るさの度合いですが、ここで注意が必要な点は、明度が低い (つまり暗い) ということが、必ずしもマイナスの要素にはならない、ということです。
ブルーのサファイアを例にあげてみましょう。
青い色は明るくなると、空色、と一般的に呼ばれる色に近づいていきますが、もしもサファイアがそのような色であったら、恐らく多くの人が、薄い色として認識するでしょう。実際、サファイアであれば、ミディアムからミディアムダークがグレードとしては高くなります。
また逆に、明度の高い方が高くグレーディングされる種の石もあります。
色相は、光のスペクトルカラーに相当しますが、そのカラーには含まれていないパープルも、宝石の色相の範囲に入ります。 このように、宝石と光の関係はきわめて重要です。
そもそも、光が全く存在しなければ、私たちは色を認識することができないのですから、色が最も重大な要素であるカラーストーンには、光という存在はなくてはならないものなのです。
カラーストーンという言葉は、ダイアモンドという宝石が無色であるという前提のもとに成り立ちますが、そのダイアモンドにも実際には、ご存知の通りあらゆる色が存在します。
光の色がいかに忠実に再現されているかが、色石の価値の最も重要な要素です。
|